デジタルエンタテイメント断片情報誌

デジタルな話題もそうでない話題も疎らに投稿

プロ野球・前田選手と江村選手の死球の話題について、ここが知りたい・それはどうなの

昔はMBSRCCのインターネット中継を途切れ途切れの回線で視聴したり、ほぼ毎日テレビ・ラジオでどこかの球団の中継を番組表で探して試聴するくらいのプロ野球好きでした。今でもニュース・結果はほぼ毎日チェックして*1、休みの日はちょくちょくテレビで試合を観ます。
そしてまさかの社会人になって草野球デビュー。…その経験が記事に生きるかはともかく、今日はプロ野球の話題がやりたかったのです。

2013/4/24 前田智 鬼の形相で新人左腕に歩み寄る 死球骨折で長期離脱必至
スポーツニッポンより)
広島の代打の切り札、前田智徳外野手(41)が、23日のヤクルト戦(神宮)で左手首に死球を受け途中交代。(以下略)

前田智徳外野手が、ヤクルト戦で江村将也投手に死球を受けて途中交代とのこと。ニュースは知っていたし、いくつか関連記事を読んだが、試合の中継は観ていなかった。ニュースを知ったときの率直な感想は、「野球ではよくあること」*2だった。
ただ正直、広島に縁あって多少カープ贔屓なので、「前田は調子が良かったのに残念。残念がるファン、ぶつけられて腹の立ったファンも多いだろうな。しかし、死球でチャンスが広がったのに(チームのファンなら、選手を心配する一方で、勝負には目を離さないものです)、そのあと抑えられたらイカンよな。試合でやり返してくれよ…。」くらいは思っていました。
すると後日、前田の怪我が重症で、何度もネット上のニュースに取り上げられていたので、それほどまでに試合の流れや死球の経緯がオオゴトだったのかと思い、改めてyoutubeの動画やらニュースサイトを調べて確認したが、前述の感想はそれほど変わらず。ヤクルトのキャッチャー中村への報復も「まあそんなもんだろう」という感じでした。

そしたらこんなコラムが出てきた。

2013/4/27 落合博満は“内角攻め”をこう考えた。前田智と江村、死球騒動の教訓とは?
(記事略)
Number Webより)

前田の激昂の意味と江村へのフォローを中心に、打者と投手の勝負のために必要なこと、とりわけ投手(江村)側にこれから必要なことについて書かれたコラム。
結びもキマっていて、悪くないコラムのように思える。しかし、前述のように感じていた私には「用意していたネタに、ちょうど起きた事実を合わせた」ような記事感アリアリで、イマイチだった。「死球騒動の教訓」なのだから、当事者は前田と江村じゃなくても別に良かったのだろうが、「死球」という打者と投手の勝負の中での出来事が中心なら、やっぱり双方に踏み込んだ内容の上、(このコラムの場合)投手について書いてもらいたいと思った。

特に前田が球を避けられなかった理由・避けなかった理由(=打者の心理・視点)・死球後に激昂した理由づけが、落合博満の言葉の引用だけでは薄い気がする。投手(江村)については語っていて、打者(前田)については、「投手について語るためのダシ」程度にすら読める。
例えば、メジャーの一流投手のブラッシュボール・内角攻めの姿勢は語られているのに対して、じゃあ打者はどうなのか、と。メジャーの打者だって内角を攻められて仰け反ったり、逆に踏み込んで打ちに行ったりするわけでしょう? 怖くないから内角を攻めてこい、という打者の話だってできるわけです*3
今回の件にも、前田自身が打席で感じていた、「試合の流れ」や「江村のピッチング」があるはずなのですよ。前の打者の打席から、内角攻めがわかっていたので腰が引かないように意識していて避けられなかった・2球続けて内角に来ないだろうと読んでいた、みたいな感じで。激昂した理由も、江村のそれまでのピッチングに対してだったかも知れないし、自分自身の選手生命に関わる痛みだと思ったからかも知れない。そこまで掘り下げた物が読みたかった。これでは単に「ピッチャー(江村)成長してね」で話が終わってしまう。投手側中心に書いたコラムにしても、月並みだ。
4/27時点で、前田本人からの明確なコメントも発表されていなかったので、旬なコラムにするために、打者の話は上手く避けたのかもしれない。それなら正直、この死球自体がここまで話題にする出来事か? とも思う。

だって、試合経過を文字だけで追っても、「前田も避けられたのでは?」「捕手のリードは?」「本当に抜けた球か?」といった具合に、カープ、ヤクルト双方の熱心なファンでなくてもこれだけ疑問(=コラム・記事のネタ)が浮かんでくるのだから…。



あと、普段全く野球を観ない人・知らない人向けの記事とは思えないので、コラムの始めにある、落合博満の言葉(「あいつ(=盛田)はもう投手とは呼ばないよ」)を読んで、こう思った人も多いのではないでしょうか。

盛田って、落合が苦手とする「投手」だったような…。

全盛期から闘病・復活のエピソードまで、なまじ盛田幸妃も有名な選手なだけに、余計に覚えていたのもあるでしょう。私はこういうコラム・記事を読むと、つい記事に出てきたエピソードやらの詳細を確認したくて、目の前の白い筐体と画面を使って検索してみるのですが…。今回、「落合 盛田」なんて検索をしてみると、やっぱりその中に苦手な投手の話も出てくる。ちなみに、盛田を全く知らない人が最初に見そうなWikipediaにまで載っている。興味と時間のある人はぜひやってみてください*4

そしてこの、落合の盛田を苦手としていた理由と経緯を調べていくと、どうもコラム中の「内角に投げる“資格”のない投手」の定義が怪しくなってくる。むしろ、盛田はある意味、誰に何と言われようが「内角に投げる”資格”」を、コラムにある「技術を磨く努力」以外で掴んだ投手ではないでしょうか。あららら?

各々のソースの信憑性はともかく、そうやって情報を虱潰しすると、始めに出された情報のインパクトって薄れちゃいますね。あ、ちなみに落合と盛田のイイ話も出てきますね。落合は盛田を認めていたってことか…。

そもそも落合博満という人は、現役・監督時代、結構インタビューやコメントで挑発・駆け引きをしていた人なので、コラム中の「あいつはもう〜」、「技術のないヤツは内角に〜」といった発言については、この記事のように、野球(勝負)の世界についての考え方・警告という面だけで引用する(鵜呑みにする)のは危険なのかも知れない*5
発言の時期がわからないが、落合の現役時代だとしたら、これらの言葉はむしろ、「相手に内角攻めをさせない」・「これだけ言えば逆に内角を攻めてくるだろう(そうしたら狙って打ってやる)」という、勝負のための意図を私は感じる。前述の「落合 盛田」で検索していると、ますますそんな気がしてくる。



『主張するときは隙ができることを覚悟せよ』(『実践的ライター入門』より)とはいえ、やっぱりネットをやっていると、情報を集めるだけでなく、情報に対して自分なりに立ち止まらなくちゃな、と改めて思いました。

*1:文字だけの結果・経過情報で楽しめる、ネット時代の良いスポーツです。仕事中もチェックできますね。

*2:試合の流れから選手の長期離脱、といった点全て含めて

*3:日本には、内角攻めする投手を威圧するバッター、いましたよね…

*4:私のブログを読む時間があれば…。

*5:何より落合博満本人がそういう曲解・誤解を嫌がる人である。野球ファンにはわかりにくい例えかもしれないが、ある意味富野由悠季に似ていると思う。

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